ポイント
二世帯住宅が、高齢化社会を本格的に迎え、見直されてきています。「習慣の違い」や「気を遣う」といった問題をクリアできれば、親世帯は防犯や安心が得られ、子世帯は家事や子育てが軽減できるなどのメリットがあります。二世帯住宅は、お互いに助け合いながら暮らしていけるのが魅力のひとつです。
二世帯住宅のタイプ
二世帯住宅は、共有するスペースの範囲により幾つかのタイプに分類することができます。それぞれのタイプの特徴を理解し、メリット・デメリットを十分に把握することが大切です。
1. 完全分離タイプ
お互いの生活をしっかり独立させたい 共有スペースは全く造らずに、お互いのプライバシーを尊重する住環境です。例えば、玄関、キッチン、浴室、トイレなども2つあります。1つの住宅の中に2つの家が 入っていて、住環境は別々に造るという形です。光熱費を別にすることもあります。
◇メリット: お互いのプライバシーを確保しながら、助け合うこともできます。
◇デメリット: お風呂やキッチンなどの設備が2つずつ必要になり、リフォームに費用が掛かります。
2.一部共有タイプ
適度な距離感を保ちたい 基本的には分離していますが、一部を共有しているタイプです。例えば、玄関やLDKは共有しているが、トイレ、お風呂、洗面室は別々に設置します。このタイプは、ライフスタイルや生活時間の違いなどからプライベートスペースを各々に設けます。
◇メリット: お互いの生活のプライバシーは守りながら、適度に家族の交流が行える点です。お互いにとってバランスの良い共有スペースを造ることができます。
◇デメリット: 光熱費の支払い方や生活習慣の違いを理解しておいた方がよいでしょう。そうすることで、夜比較的早く就寝する親世帯と夜遅くまで起きていることが多い子世帯部分を適切に配置でき、快適な二世帯住宅を造ることができます。特に、共有部分の使用時間や使用頻度を確認しておくとよいでしょう。
3. 完全同居タイプ
安心して一緒に暮らしたい 寝室などのプライベートルーム以外は全て共有しています。二世帯リフォームの中では最も費用が安く、手軽なリフォームです。共有空間が多くなる分、世帯間の良好な関係と理解が必要になります。 ◇メリット: 小さなお子様のいるご家庭、からだの不自由な方がいるご家庭、高齢者がいるご家庭などの場合でもお互いに支え合うことができます。 ◇デメリット: 共有する空間が大きくなるため、プライベートな時間が取り難くなります。
増築のポイント
二世帯リフォームのもうひとつの方法として増築があります。増築できればプランニングもしやすくなります。増築で何を増やすかがリフォームのポイントとなります。
1.部屋数を増やす。 基本的な増築としては、寝室や子供部屋を増やすのが一般的です。生活空間をスッキリさせるために納戸などの収納スペースも合わせて造っておくのもよいでしょう。
2.玄関を増やす 玄関を2ヶ所に増やして完全分離タイプにすることで、両世帯の生活時間のズレが気にならなくなります。
3.水まわりを増やす キッチンや浴室・トイレなど水まわりを増やすことで、食事時間の違いや使用時間の制限などによるトラブルの解消につながります。